『利益の90%を米国が受け取る』とは？その意味を分かりやすく解説

みなさんこんにちは！

管理人のナリアです。

2025年7月、アメリカのトランプ大統領がSNSである発言をして、日本国内でもちょっとしたざわつきが起きました。

「日本はアメリカに5500億ドル（約80兆円）を投資し、利益の90％をアメリカが受け取る」

この言葉、ニュースで見かけて「え！？それって日本が損してるってことなの？」と驚いた方も多いかもしれません。

でも、この発言にはいろいろな意味や背景があり、表面だけ見てしまうと誤解してしまう可能性もあるんです。

実際には、「投資とは何か」「利益ってどう分配されるのか」「貿易交渉の裏にある本音は？」など、いくつかの要素が複雑にからみあっていることが分かってきました。

• 「利益の90％をアメリカが受け取る」とはどういう意味？
• 日本の5500億ドル投資って、なぜそんなに大きな額に？
• この発言で本当にアメリカが「得」してるの？
• 関税の引き下げは日本にとってプラスなの？

この記事では、以下のことについてまとめていきます。

『利益の90％を米国が受け取る』ってどういう意味？

2025年7月、トランプ大統領がSNSに投稿したこの発言。

「利益の90％を米国が受け取る」という表現は、まるで日本が損してアメリカが一方的に得しているように聞こえますよね。

でも、ここで大事なのは「誰が、どんな文脈で、なぜこの言葉を使ったのか」という視点です。

政治家の言葉には、本音とは違う“戦略”が隠れていることも少なくありません。

そもそも「利益の90％」というのは、数字だけを見ると強烈ですが、その“利益”が誰にとっての何の利益なのかが明確ではありません。

そもそも「利益」ってなに？

ここでいう「利益」は、ビジネスで言うところの「もうけ」のことです。

ですが、「アメリカが受け取る」という場合、それはアメリカの企業に入ってくる収益だったり、税金や雇用などの経済的効果を指している可能性があります。

つまり、日本企業がアメリカでお金を使って工場を建てたり、雇用を生み出したりすることで、アメリカ国内に経済的メリットが発生するという意味にも解釈できるのです。

発言の背景には「政治的な狙い」も

この投稿があった直後、アメリカでは自動車関税の交渉合意や選挙キャンペーンが話題になっていました。

つまり、トランプ大統領としては、「自分の政権がアメリカに利益をもたらした」と強くアピールしたかった、という見方もできます。

日本が本当に一方的に損しているわけではないのに、あえてインパクトある表現を使って支持層にアピールしているとも考えられます。

「日本は損してるの？」という素朴な疑問

この発言だけを見ると、「日本が80兆円も出して、何も返ってこないの？」と思ってしまうかもしれません。

でも、実際には日本企業がアメリカで利益を上げることで、日本にもちゃんとリターンがあるんです。

例えば、トヨタやホンダなどがアメリカに工場を作れば、そこから得た利益の一部は日本本社に戻ってきます。

また、世界市場でのブランド力や技術開発のスピードアップなど、長期的な利益も得られるのです。

なぜ日本は5500億ドルも投資するの？

トランプ大統領が語った「5500億ドルの投資」という数字は、日本円にして約80兆円にものぼります。

あまりに大きな額なので、「それだけの資金を日本がアメリカに渡すってどういうこと？」と感じた方も多いでしょう。

ですが、これは単に“お金をプレゼント”する話ではありません。

企業が将来の利益を見込んで海外にお金を使う＝「投資」なのです。

海外への投資とは？お金を使う目的は？

たとえば、ある日本企業がアメリカに工場を建てるとします。

建設費や人件費などを含めると、数百億円〜数千億円規模の投資になりますが、その見返りとして、 現地で製品を作って売り、利益を得ることが目的です。

投資とは、将来のリターン（もうけ）を期待して行うもの。

そのため、アメリカに投資しても、その投資先での利益の一部は、日本企業が得るという構図になります。

5500億ドルは一気に払うの？

トランプ大統領の発言からは「日本が一度に5500億ドルを出す」と受け取られがちですが、実際には段階的・長期的な投資が前提です。

経済アナリストも、「この金額は政治的にインパクトのある数字として強調された可能性が高い」と分析しています。

つまり、「利益の90%を米国が受け取る」という表現と同じく、この数字にも演出的な意味合いが含まれていると考えられます。

なぜ日本はアメリカを選ぶの？

ではなぜ日本企業はアメリカにこれほどの投資を行うのでしょうか？ その理由にはいくつかあります。

• 世界最大級の消費市場がある（=売れる）
• 為替や関税など、政治・経済の安定が魅力
• 地理的にアジアや欧州への展開もしやすい

さらに、日米交渉のなかで得られた関税15％の合意も、進出のハードルを下げる効果があります。

本当にアメリカが『得』してるの？

トランプ大統領の「利益の90%を米国が受け取る」という発言は、あたかも日本が一方的に損をしているかのように聞こえますよね。

でも、実際のところはどうなのでしょうか？

ここでは、日本とアメリカそれぞれの「得」について、もう少し具体的に分かりやすく見ていきましょう。

米国の「得」は何を指している？

まず、アメリカが得るとされる「90％の利益」には、いくつかの意味が含まれていると考えられます。

• 日本企業の工場や事業が生み出す、現地での雇用
• アメリカ政府に入る税金（法人税・所得税）
• 地域経済の活性化による間接的な経済効果

これらを合算すると、確かにアメリカにとって大きな経済的メリットがあることは事実です。

でも日本企業も「得」している

一方で、日本がただ損をしているわけではありません。

日本企業がアメリカに進出することで、以下のような利益を得ています。

• アメリカ市場での売上・利益の拡大
• 現地で得た技術や人材の活用
• 国際的なブランド力・信頼性の向上

つまり、投資の見返りとして、しっかり利益は日本側にも戻ってきているのです。

「90％」という数字の意図は？

では、なぜそんな極端な数字をトランプ大統領は使ったのでしょうか？ それは政治的アピールの意味合いが強いとされています。

「交渉でアメリカが勝った」というメッセージを打ち出すことで、国内向けの支持を固める意図があったと考えられます。

このように、数字には事実とは違う“印象操作”が含まれていることもあるのです。

関税15％の合意は良かったの？悪かったの？

日米交渉の中で合意された「関税15％」という数字。

これは自動車や一部製品の貿易における税金の割合を表していて、実はここにも大きな意味があります。

そもそも、関税とは「外国の商品にかける税金」のこと。

つまり、日本からアメリカに車を売るとき、アメリカ政府に払うお金の割合が15％になるということです。

前はどうだったの？

実は今回の合意前、日本の自動車には2.5％の関税がかかっていました。

一方で、交渉の初期段階では、25％に引き上げられる可能性もありました。

それが結果的に15％で落ち着いたというのは、日本にとっては「悪くない」どころか、むしろ最善に近い合意だったと評価されています。

関税15％が日本経済に与える影響

複数の経済専門家は、「15％関税なら国内経済の影響は軽微」としています。

たとえば、野村総研の試算では、GDPへの影響は最大でもマイナス0.6％程度と予測されています。

また、関税によって商品価格が上がる可能性もありますが、すでに日本車の価格にはある程度の変動が織り込まれており、輸出数量自体は大きく減っていないとの見方もあります。

農産品への影響は？

交渉では農業分野の妥協も懸念されていましたが、コメに関しては「ミニマムアクセス枠」が維持され、関税引き下げは行われなかったとの報道もあります。

そのため、農業関係者への影響は今のところ限定的とみられています。 ただし今後の輸入拡大次第では、再び議論が起きる可能性もあります。

【まとめ】『利益の90%を米国が受け取る』とは？その意味を分かりやすく解説

今回の記事では、「利益の90%を米国が受け取る」という発言の意味や背景について、分かりやすく解説してきました。